らしさ中級
各ジャンルのプロフェッショナル達が見られるのも貴重だけど、解体する前の築地の場内の様子がたくさん写っているのが今となってはすごく貴重!
「二郎は鮨の夢を見る(じろうはすしのゆめをみる)」
原題:Jiro Dreams of Sushi
公開:2011年
国:アメリカ
監督:デヴィッド・ゲルブ
ジャンル:ドキュメンタリー
時間:1時間 21分
寿司職人のドキュメンタリーです。
自分を貫く生粋の職人の様子を追っているだけでなく、その技を必死に学んで継ごうとする息子や弟子達の苦悩の様子も合わせて描かれているのがポイント。どこの世界でも起こり得る、偉大な初代に対しての2代目の引継ぎの難しさをひしひしと感じさせます。
印象的な言葉たち
寿司職人・小野二郎氏の言葉
・好きにならないとダメ
・惚れて惚れて一生懸命やって少しでも上へ、少しでも上へって考えて、現在まで来ています。
だから85になっても、さあじゃあやめようかという気はありません。・いい仕事をするのが職人。あとは儲かろうが気にしない。
・頂上はどこかっていうとわかんないわけですよ。完璧だとは思ってないからね。
・職人根性でしょうね。ずっと握ってられる。
「二郎は鮨の夢を見る」
寿司職人・小野禎一氏(小野二郎氏の息子)の言葉
・毎日同じことの繰り返し。ずぬけてやるのは才能がないと。
「二郎は鮨の夢を見る」
料理評論家・山本益博氏の言葉
・シンプルを極めていくとピュアになる。
・(小野二郎氏に対して)あんなに自分に厳しい人みたことない。常に明日のことを考えている。
電車に乗る場所まで同じ・優れた料理人は5つの条件がある。
「二郎は鮨の夢を見る」
1. 真面目。コンスタントにやる真面目さ。
2. 向上心。昨日より今日より明日っていう。
3. 清潔感。清潔な感じがする人じゃないと美味しい料理はできない。
4. 短気っていうか、あんまり社会的にグループで評価されないような。
わがまま。自分のやりたいことを押し通す。
5. パッションを持っている人。
(これらを)全部持ってる完璧主義者。
らしさ中級
小野二郎さんはザ・職人な方。
僕、身近に知っている人(機械屋さんで技術屋の人)がいたけれど、時間にきっちりしていて、生活全般が毎日同じ所作で、仕事が生き甲斐というのが全く一緒だと思った。
極めるとそうなるのかな。
小野二郎氏の店なのになぜ「すきやばし次郎」?
これは、映画には理由が出ていなかったのですが、とても気になったので別に調べました。
小野二郎さん本人が語っているのですが、
「次郎の方が店の看板なんかに書いたとき、格好がいいでしょ」
NOTE「名店「すきやばし次郎」を築き上げた小野二郎と息子・禎一の職人論」
…だそうです。
なぜ海外で人気?
小野二郎さんが手掛けている「すきやばし次郎」を舞台にしたこの作品。
なぜこの店をとりあげたのかというと、ミシュランの三ツ星をとっている店だったからというのも大きかったようです。
ミシュランのガイドブックは1900年から出て、100年以上の歴史があります。
ミシュラン調査員は、レストランの
- クオリティ
- オリジナリティ
- いつも同じ状態か
などを調査して評価するわけなのですが、「すきやばし次郎」はこれらを軽々とクリアしたお店だったわけです。
三ツ星の意味は
「そのお店にわざわざ食べに行くだけの旅をする値打ちがある」
というものだそうですが、わずか10席で、お手洗いも外にある、こんなお店で三ツ星は世界中どこにもないということで、みんな不思議がったそうです。
でも調査員が何度行っても、必ず感動させられた、奇跡のような店だと最高の評価をされたそうです。
味に対してこだわりぬいた、食へのストイックさが、特に海外の食通たちの心をつかんだのでしょう。
らしさ中級
海外で認められたから、日本で正当に評価されたという、ありがちなパターンになのがちょっと残念ではあるけれど、世界に誇れる文化があるというのは嬉しいよね。
海外に見出されていなくても、日本にはいいものがたくさんあるってことだよ!
まとめ
海外の視点で描かれているせいで、日本人が見落としがちな「職人」「築地」などといった日本独自の文化や風景描写がきちんと撮られている感じがして、とても面白いドキュメンタリー映画でした。
フジテレビの「ザ・ノンフィクション」のような感じもあり、昔の日本の風景が多く映っている作品でもあり、そういった番組が好きな人はぜひ観るべき作品だと思います。
この記事があなたの「自分らしさ」をつらぬくためのお役に立てたら嬉しいです。
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