PART1 自分らしく

「自分らしく」とは何なのか|自分らしさの定義や意味【辞典しらべ】

30代男性
らしさ初級

毎日仕事に追われ、自分らしく生きたいなぁと思いつつ、あらためて「自分らしく」って何?と考えると実はそこからしてわかっていない自分がいることに気づきました💦

ラシク
らしさ中級

わかる!僕も人と同じように生きなきゃと考えていた数年前までは、あまりに自分の気持ちを後回しにしすぎていたために、すっかり「自分らしさ」の意味がわからなくなっていたよ。

自分らしく生きたいと思うけど、そもそも自分らしさって何?と感じている方も少なくないのでは、、、。と思い、今回は

自分らしさの一般的な定義・意味

を辞典で調べ、まとめて一気にお見せします。

自分らしさとは何なのかがはっきりわかるので、是非読んでいただきたいレシピです。

「自分らしさ」ってまだまだ市民権を得ていない言葉ですが、そのままのあなたがもうすでに「自分らしい」のです。

「自分らしさの意味」- 辞典からわかる定義や意味

日本語を正しく知るために使う国語辞典
国語辞典として中型辞典といえる『広辞苑』 『大辞林』 『大辞泉』と、大型辞典といえる『日本国語大辞典』を使って「自分らしさ」の意味を調べたところ、驚くべき事実がわかりました。

「自分らしさ」は辞典に存在しない!

どの辞典も「自分らしさ」はもとより「自分らしく」も「自分らしい」もまったく掲載されていなかったのです。(2020年11月現在)

ちなみに今回使用したのは『日本国語大辞典(第二版)』、『広辞苑(第七版)』、『大辞林(第四版)』、『大辞泉(第一版)』。

「自分褒め」や「自分免許」はあるのに…。(← 使ったことあります?)

つまり、まず言えることは、

自分らしさはまだ辞典に載るほど定まった言葉ではない

ということです。
どうりで意味や使い方がよくわからないわけですね。

そこで「自分」と「らしさ」に分けてそれぞれを調べることにしました。

『広辞苑』で「自分+らしさ」を調べる

「自分」は1.名 ①おのれ。自身。自己。②おのが分。自分自身の能力。 2.代 わたくし。われ。という意味。

この他に「自分商い」「自分勝手」「自分髪」「自分史」「自分自身」「自分と」「自分撮り」「自分乍ら」「自分免許」「自分持ち」という単語が説明されていましたが、どれも「人の手を借りず」とか「他人が認めないのに」とか「他人の都合を考えず」などの前置きがつき、ちょっと否定的なニュアンスが感じられる単語に使われているなと感じました。

一方、「らしく」というのは「らし」という言葉がもともとあり、ものごとを推定する意味でしたが、平安時代には古語化して一度廃れているんですね。

面白いのが古語化して以降、表現に荘重・優美な感じをもたらすために添える働きをしていたこともあるそうなのです。

その後、徐々に接尾辞として用いられるようになり、それが現代語の「らしい」に続きました。

現在「らしい」には推定の意味がありますが、「自分らしい」は接尾辞としての使われ方です。

じ-ぶん【自分】
 1.名 ①おのれ。自身。自己。②おのが分。自分自身の能力。
 2.代 わたくし。われ。
ーあきない【自分商い】
 ①商家の番頭や年功をつんだ手代などが、主家の業のかたわら自己の見込みでする商い。私商。②手代奉公を終え、独立して商売を営むこと。
ーかって【自分勝手】
 他人の都合を考えず、自分のためだけを計ること。てまえがって。みがって。
ーがみ【自分髪】
 髪結いの手を借りず、自分で結う髪。
ーし【自分史】
  自分の歴史。一般人が、自身のそれまでの生涯を書き綴ったものをいうことが多い。自伝。
ーじしん【自分自身】
 自分を強めていう語。
ーと【自分と】
 自分から。ひとりでに。
ーどり【自分撮り】
 カメラを自分自身に向け、手持ち撮影すること。自撮り。
ーながら【自分乍ら】
 われながら
ーめんきょ【自分免許】
 他人が認めないのに、自分ひとりで得意になっていること。ひとりよがり。
ーもち【自分持ち】


らし(助動)
(連体形「らしき」は奈良時代にわずかな例がある) 和歌に用いられ、散文では例は少なく、もっぱら美文調の中に見られる。平安時代には古語化した。室町時代に使われはじめた接尾辞「らしい」は、現代語「らしい」に続いている。江戸時代になって再び助動詞として用いられる。(…中略…)
 ①ある事柄がほぼ間違いなく起こっていると推定する。…らしい。例:「春来るらし」
 ②現在の事実に関し、その原因・理由などを推定する意を表す。…しているのは…らしい。例:「争ふらしき」
 ③(平安時代に古語化して以降)表現に荘重・優美な感じをもたらすために添える働きをした。例:「空きにけらし」


らしい
 1.〚助動〛(活用は形容詞型)
動詞、形容詞、ある種の助動詞の終止形に付く。また、体言・形容動詞語幹などに付く。文語形は「らし」。
 ①根拠や理由のある推定を表す。例:「気があるらしい」
 ②確かな伝聞などに基づく推定を表す。例:「反対しているらしい」
 2.〚接尾〛
形容詞を作る。平安時代まで行われた推量の助動詞「らし」の転。鎌倉時代頃からわずかながら接尾辞として用いられるようになり、室町時代以後広く使われた。
 ①(体言に付いて)…の様子である。…の風である。例:「愛らしく」「娘らしくなる」
 ②(形容詞の語幹などに付いて)…感じがする。いかにも…と思われる。例:「憎らしい」「可愛らしい」

『大辞林』で「自分+らしさ」を調べる

「自分」は ① 反照代名詞で話し手・聞き手・第三者のいづれにも用いる。その人自身。 ② 一人称で多く男性が改まったときに用いる。わたくし。という意味。

単語は広辞苑とほぼ一緒で、やはり否定的な意味で使われている単語がちらほら。

「らしく」についてはより詳しく書いてあり、「らしく」は「らしかり」の変化形であり、上代・中古に用いられた推量の助動詞「らし」とは直接の関係はないものと見られているそうです。

「自分らしく」の意につながる、接尾語の「らし・い」は中世後期以降の語とのことです。

じぶん【自分】
 ①反照代名詞。話し手・聞き手・第三者のいづれにも用いる。その人自身。
 ②一人称。多く男性が改まったときに用いる。わたくし。
ーあきない【自分商い】
 ①商家の手代などが、主人の指示によらず自分だけの判断でする取引。
 ②奉公を終えて、独立して営む商売。
ーかって【自分勝手】
他人のことはかまわず、自分の都合だけを考える態度。すべて自分に都合のよいように考え、振る舞うさま。
ーがみ【自分髪】
 髪結いの手を借りないで自分で結った髪。
ーぎめ【自分極め】
 自分だけで、かってに決めてしまうこと。ひとりぎめ。
ーさがし【自分探し】
 自分の現状に満足できず、本来の自分の性格、人生の目的など、納得できるものを探し求めること。
ーし【自分史】
 自分の人生をみずから書きつづった記録。自伝。
ーじしん【自分自身】
 反照代名詞。「自分」を強調した語。
ーどり【自分撮り】
 手に持ったデジタルカメラやカメラ付き携帯電話などで自分を撮影すること。自撮り。セルフィー。
ーぼめ【自分褒め】
 自分で自分をほめること。われぼめ。
ーめんきょ【自分免許】
 他人が認めないのに、自分ひとりで得意になっていること。ひとりよがり。
ーもち【自分持ち】
 ある負担・費用などを参加者自身が支払うこと。自弁。自前。
 自分と
 自分から進んで。自分自身で。我から。
 自分ながら
 我ながら。自分でさえも。


らし(助動)
〇・〇・らし・らし・らし・〇
推量の助動詞。動詞および動詞型活用の助動詞の終止形に付く。ただし、ラ行変格活用の動詞およびラ変型活用の語には連体形に付く。
 ①眼前の状況について、その原因である事情を推定する意を表す。
 ②眼前にない事柄について推定する意を表す。
[(1)上代には、連体形に「らしき」があり、係助詞「こそ」の結びとして用いられている。(2)連体形「らし」、已然形「らし」は、それぞれ、係り結びの結びの形としてのみもちいられている。(3)上代では、上一段活用の動詞に付く場合、未然形または連体形とも見られる形に付く。(4)ラ変活用の動詞またはラ変型活用の語に付く場合、「あるらし」→「あらし」「寒かるらし」→「寒からし」などのように、連体形語尾「る」が省略されることがある。]


らし(助動)
らしから・らしく(らしかり)・らし・らしき(らしかる)・らしけれ・〇
[近世以降、接尾語「らし」から派生して、助動詞として用いられるようになったもの。上代・中古に用いられた推量の助動詞「らし」とは直接の関係はないものと見られている]推量の助動詞。名詞や形容動詞の語幹、および動詞・形容詞の終止形に付く。断定的に推量する意を表す。…と思われる。…らしい。→らしい(助動)


ら・し(接尾)
→らしい(接尾)


らしい(助動)
[近世文語において用いられた推量の助動詞「らし」の口語形から]推量の助動詞。名詞や形容動詞の語幹、および動詞・形容詞の終止形に付く。(…中略…)
 ①なんらかの根拠や理由のある推量を表す。…と推定される。例:まだ間があるらしい
 ②判断の結果を断定せず、婉曲に表現する。…であるようだ。…だと思われる。例:二時かららしい
 ③…にふさわしい様子である。…によく似た状態である、などの意を表す。例:祝賀会らしい雰囲気になった。
[助動詞の「らしい」と形の同じものに接尾辞の「らしい」がある。両者は、いちおう意味の上で区別することができる。
(ア)「あの人が問題の男らしい」(以上、助動詞の「らしい」)
(イ)「あれはいつまでも子供らしい」「彼はほんとうに男らしい」(以上、接尾語の「らしい」)。
しかし、実際には区別の分明でない場合も時には見られる]
→らし(助動)・らしい(接尾)


らし・い(接尾)
[中世後期以降の語。形容詞型活用]名詞・副詞、または形容動詞の語幹などに付いて形容詞を作る。
 ①…としての特質をよくそなえている、いかにも…の様子である、…にふさわしい、などの意を表す。「男らしい」「子供らしい」「学者らしい」など。
 ②…という気持ちを起こさせる、…と感じられる、などの意を表す。
「ばからしい」「もっともらしい」「わざとらしい」など。

『大辞泉』で「自分+らしさ」を調べる

「自分」は ① 反射代名詞。その人自身。おのれ ② 一人称の人代名詞。われ。わたくし。という意味。 単語は他とほぼ一緒。

「らしく」については、語源のことまで書いてあり「あ(有)るらし」「あ(有)らし」の音変化説などがあるそうです。

「自分(で 有る)らしい」ということでしょうか。

こちらの辞典では『大辞林』とは違って、助動詞の「らしい」は”近世になって、古語の「らし」と、活用があって形容詞を作る接尾語「らしい」との類推から生まれたといわれる。”と記載し、古語とのつながりを書いています。

いづれにしても、中世後期以降~近世にかけて以前とは違う使われ方をしはじめた言葉だということがわかります。

じぶん【自分】 〚代〛
 ①反射代名詞。その人自身。おのれ
 ②一人称の人代名詞。われ。わたくし。
ーあきない【自分商ひ】
 ①番頭や手代が、主人の指示を受けないで自分の判断で行う取引。
 ②手代奉公を終え、独立して商売を行うこと。
ーかって【自分勝手】
 他人の事は考えず、自分の都合だけを考えること。また、そのさま。身勝手。手前勝手。
ーがみ【自分髪】
 髪結いに頼まないで自分で結った髪。
ーじしん【自分自身】
 反射代名詞。自分を強めていう語。自分みずから。
ーめんきょ【自分免許】
 他人は認めないのに、自分だけが得意になっていること。ひとりよがり。
ーもち【自分持ち】
 自分で支払いまたは負担をすること。自弁。
 自分と
 ①ひとりでに。自然と。
 ②みずから進んで。
自分ながら
 自分のしたことを振り返って感心したりあきれたりする気持ちを表す。自分のことながら。われながら。


らし(助動)
活用語の終止形、ラ変型活用語の連体形に付く。
 ①客観的な根拠・理由に基づいて、ある事態を推量する意を表す。…らしい。…に違いない。例:「踏むらし」
 ②根拠や理由は示されていないが、確信をもってある事態の原因・理由を推量する意を表す。…に違いない。例:「さはるは桂なるらし」
◆語源については「あ(有)るらし」「あ(有)らし」の音変化説などがある。奈良時代には盛んに用いられ、平安時代には①の用法が和歌にみられるが、それ以後はしだいに衰えて、鎌倉時代には用いられなくなった。連体形・已然形は係り結びの用法のみで、また奈良時代には「こそ」の結びとして「らしき」が用いられた。


らしい(助動)
動詞・形容詞・助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」「ない」「たい」「た」「ぬ(ん)」の終止形、体言、形容動詞の語幹、一部の副詞などに付く。
 ①根拠や理由のある推量を表す。例:「台風が接近しているらしく」
 ②伝聞や推量に基づく婉曲な断定の意を表す。例:「非常に危険らしい」
 ③(多くは体言に付いて)ぴったりした状態、よく似た状態にある意を表す。いかにも…のようである。まさに…と見うけられる。例:「名探偵らしい見事な推理」
◆近世になって、古語の「らし」と、活用があって形容詞を作る接尾語「らしい」との類推から生まれたといわれる。連用形は「ございます」「存じます」に続くときに「らしゅう」となる。仮定形として「らしけれ」が考えられるが、代わりに「ようなら」を使うことが多い。なお、近世以降、同源の文語形推量の助動詞としての「らし」も用いられた。例:「このころとられたらしき中間が封じ文出して」
また、③は接尾語との区別のつかない場合もある。


らし・い(接尾)
《形容詞型活用ら・し》
 ①名詞に付いて、…としての資質を十分に備えている、…と呼ぶにふさわしい、などの意を表す。
例:「男らしい」

『日本国語大辞典』で「自分+らしさ」を調べる

日本国語大辞典は、さすが大型辞典なだけあり意味が詳細で、特に各語につく(語誌)が読みごたえがあってかなり面白いです。

「自分」は ① (反射指示)その人自身。自己。自身。 ②自称。わたくし。多く、男性が改まったときに用いる。また、もと日本の軍隊で、自称に用いられた。 ③対称。「御自分」「御自分様」の形で用いられたそうです。

ここでも、多く、男性が改まったときに用いると書いてありますが、なるほどそういえば、日本の軍隊で自称に用いられていましたね。「自分は〇〇であります!」みたいな。「自分」という言葉のお堅い、あらたまった印象はこういうところからも来ているんですね。

「らしく」についても詳しく、語源についても、”「あり」を形容詞化した「あらし」とする説、「あるらし」「けるらし」「なるらし」の縮約形とする説などあるが、不明。”と書いてあります。

結局、「らしく」の語源は不明なようです。

古語「らし」との関係についても書かれており、”現代語の助動詞「らしい」は、近世以後成立した別語である。しかし、意味の上ではかなり近い。”とのこと。

「らしい」と「そうだ」の違いの話も面白い。「そうだ」が主観的・感覚的であるのに対し、「らしい」は判断の手がかりとなる観察・情報が話し手の領域の外にある、とのこと。

「ロドリゲス日本大文典」には「らしい」はめき、めく、がましい、様な、によって言い換えられるとあるそうです。

「自分めき」「自分めく」「自分がましい」「自分様な」。どうでしょうか?

じ-ぶん【自分】〚代名〛
 ① (反射指示)その人自身。自己。自身。
 ②自称。わたくし。多く、男性が改まったときに用いる。また、もと日本の軍隊で、自称に用いられた。
 ③対称。「御自分」「御自分様」の形で用いられた。
(語誌)
(1)③の用法は中世末武士詞の「御自分」や「貴様」に代用する「御自分様」に見られ、「自分」に「御」がつくかどうかで二人称と一人称とに使い分けられていた。
(2)現在、大阪方言などに見られる二人称用法は、友人関係もしくは同世代と認識した場合、男女共に、相手が同性なのか異性なのかを問わずに使用する。この場合の特徴としては、会話語であることと、使用者には一人称としての「自分」の使用がないという点である。
じぶん と
 ①ひとりでに。自然に。われと。
 ②自分みずから。自分自身で。われと。
じぶん ながら
 自分のことを自分で評価したり、批評したりするのはおかしいのだが。われながら。


らし〚助動〛
(推量の助動詞。(…中略…)上代では、「こそ」の結びは「らしき」で、普通にはこれを形容詞の形に照らして、連体形とする。確定的な事実に対する推量を表すが、思いをめぐらして想像するといったものではなく、事実に対する志向作用を表わす。そこで「らし」の表わす推量を特に「推定」と呼ぶことが多い)
 ①根拠を示し、現実の状況を推定する意を表わす。
イ)根拠と事実とを二文または条件句などを用いて示す場合。
ロ)根拠と事実とを係助詞「は」などを介して一文で表わす場合。
 ②確定的な事実の原因・理由を推定する意を表わす。
 ③原因や根拠などにかかわらず、ある事柄について推定する意を表わす。
(語誌)
(1)語源については、「あり」を形容詞化した「あらし」とする説、「あるらし」「けるらし」「なるらし」の縮約形とする説などあるが、不明。
(2)上代では、確定的な事実に対する推量であるが、「疑」字を「らし」と読む場合もある。
(3)中古には、疑問表現を受ける例も現われ、確定的な事実ばかりでなく、未定の事実も対象とするようになった。
(4)中古半ばには、すでに古語(歌語)であり、現代語の助動詞「らしい」は、近世以後成立した別語である。しかし、意味の上ではかなり近い。
→ らしい


ら・し〚接尾〛
→ らしい らしい〚助動〛 (推量の助動詞。客観的な根拠に基づいた推量を表わす。伝聞による事実などが根拠になることもあり、また、根拠ある推量表現が婉曲な断定として用いられることもある)
…と判断される様子である。…と思われる。
(語誌)
(1)中世後期に成立した接尾語「らしい」が近世以降に助動詞化したもの。成立については、上代から中古にかけて用いられた推量の助動詞「らし」と結び付ける説もある。しかし、「らし」は中古中期以降、口頭語では用いられず、古語として意識されていたことなどから疑問。
(2)仮定形「らしけれ」はほとんど用いられず、仮定表現には「らしかったら」「らしいなら」の形が用いられる。ただし、接尾語「らしい」では「男らしければ」のように「らしけれ」も用いられる。
(3)現代語「らしい」は、古典語「らし」とは違って「明日雨が降るらしい」のように未定の事実を対象とする推量にも用いられる。ただし、その場合でも「空模様があやしい」といった現在の事実を手がかりにする意味合いが強い。これに対し、「明日雨が降りそうだ」の「そうだ」は、より主観的・感覚的であると考えられる。判断の手がかりとなる観察・情報が話し手の領域の外にあるのが「らしい」、領域の内にあるのが「そうだ」という説もある。


らし・い
1⃣〚接尾〛
文)ら・し 形容詞や形容動詞の語幹、名詞などに付いて、形容詞をつくる。近代では「わざとらしい」などのように副詞に付くこともある。いかにも…の様子である、…にふさわしい、…と感じられる、などの意を表わす。「あほうらしい」「いとしらしい」「男らしい」「にくらしい」など。
2⃣〚形口〛
(1⃣から転じて)いかにもそのようである。
(補注)「ロドリゲス日本大文典」には「助辞のMequi、mequ(めき、めく)、Gamaxij(がましい)、又Yona(様な)によって言い換へられる。例へば、Zoguraxij(俗らしい)、Zocuno yona(俗のような)、Zocugamaxij(俗がましい)及びZocumeita(俗めいた)は同じである」とある。なお、ラシイに終わる語としてロドリゲスは「アサカラシイ、ヨカラシイ、ウスカラシイ、ヲトコラシイ、ワラベラシイ」などをあげている。 らし‐さ (接尾語「らしい」の語幹に、さらに接尾語「さ」の付いたもの)名詞や形容動詞語幹などに付き、そのものにふさわしい様子をしていること、まさにそのものであると判断される程度、などの意の名詞をつくる。「男らしさ」「学生らしさ」「確からしさ」など。

おまけ『江戸時代語辞典』で「自分+らしさ」を調べる

江戸時代語が掲載されている辞典も見つけたので、ついでに調べてみました。

「自分」は江戸時代では主に武士の用いる一人称だったんですね。

「らしさ」に関する言葉はありませんでした。

「自分らしく生きたい」なんて考えは存在しない時代だったのでしょうか?

じぶん【自分】 
主に武士の用いる一人称。 
じぶんになる【自分に成る】 
独立して一家を立てる。一人立ちになる。 じぶんべんとう【自分弁当】 「銘銘弁当」に同じ。

「自分らしさ」の定義と意味

「自分らしさ」の意味

長くなりましたが、以上のことからこのように定義できます。

・いかにもその人自身の様子である。
・その人自身と呼ぶにふさわしい、ぴったりした状態、のこと。

まさに自分そのもの、あなたそのままの状態がすなわち「自分らしい」ということなんですね。

言葉の意味からいうと、「自分らしさがわからない」というのはおかしな話で、何も悩むことなく、そのままのあなたがもうすでに「自分らしい」のだ、といえます。

「自分らしさ」の裏に含まれている意味

そのままの自分でいることにひっかかりを感じるあなた。

「自分らしさ」という言葉には

客観的でお堅く改まった印象があり、特に昔の人ほど「自分」という言葉に対し否定的な感覚を持ち、女性が使うのに違和感を感じてしまう

という含みがあります。

このように、どこかつきはなされたような、ひっかかるニュアンスが含まれているために、何かいけないことをしている気分になるのではないでしょうか?

「自分史」や「自分撮り」など、老若男女誰でも気軽に使え、否定的な意味がなくなってきたのは最近のことなようです。

昔の日本の人々はことさら自己を主張するのを良しとしていなかったのかもしれませんし、女性が「自分らしく」なんて言ったらひっくりかえってしまうかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?今回は、

自分らしさの一般的な定義・意味

について辞典で調べてみました。

「自分らしさ」について考えはじめると、あれこれ余計なことを考えてしまうかもしれませんが、それは「自分」に含まれるお堅い真面目さや否定的な使い方、「らしく」に含まれる推定的な使い方に由来しているので、気にしなくていいんだとわかりましたよね。

言葉そのものは「あなたそのまま、あなた自身にふさわしい」というだけのことですので、自分に自信をもって自分らしく、周りを気にせずに何が好きかを見極めていってください。

この記事があなたの「自分らしさ」をつらぬくためのお役に立てたら嬉しいです。

あなたの「自分らしさ」募集!

興味を持ってサイトに訪れてくださったあなただけが持っている「自分らしさ」について、神社の絵馬のように、想いを「奉納」してください!

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