【エピソード】自分らしく生きている人をTEDで探る!おすすめ7例

PART1 自分らしく
40代男性
らしさ中級

実際に「自分らしく」生きている人の話を直接聴けないかな。

ラシク
らしさ中級

ぼくのオススメはTEDだよ。世界中で活躍している人本人による「自分らしさ」たっぷりな話が聴けるよ。

「自分らしく」生きたいけれど、世の中の「自分らしく」生きてうまくいった人のエピソードを知りたいと感じている方もいるのでは、、、。と思い、今回は

TEDで探る「自分らしく」生きている人のエピソード7例

を考えてみました。

「自分らしく」生きている人の具体例を知りたい、という方に読んでいただきたいレシピです。

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「自分らしさ」を極めればこんな風になれるんだなという例がいっぱいあります!

「TED」について

TEDテドはTechnology Entertainment Designの略で、毎年大規模な世界的講演会「TED Conference」を開催(主催)し、世界中の著名人によるさまざまな講演会を開催・配信している非営利団体のことです。

海外の著名人によるスピーチも多く、無料で公開されている動画(TED.com)は日本語翻訳が載っているものが多数あるため、グローバルな視点でのアイデアや研究などに触れることができます。

ちなみに「TED Conference」に出席するためには、審査を受けた上で年会費10,000ドル(約100万円)を支払って、TEDの会員になる必要があるそうです。すご!

「自分らしく」のエピソードをTEDの中から紹介する前に

みなさんは、TEDのような人前で話される「自分らしく」にはどんなエピソードがあると想像しますか?

TEDのサイトでキーワードに「myself」と入力すると、圧倒的に出てくるのがLGBT、いじめ、フェミニスト、身障者の体験談で、少数派、マイノリティと呼ばれる人々がいかに困難を乗り越えていったかというエピソードが満載です。

日本でもそうですよね。「愛は地球を救う」などで扱われるエピソードはほぼ全てそういった方々の物語です。

マイノリティのどれにも属していない自分だって「自分らしく」で悩んでいるんだけどな…

「らしくレシピ」を作りたいと思ったのは、その思いがきっかけです。

どのカテゴリにも入らない「大多数の」「普通の」自分にとって役に立つ「自分らしさ」を育てる記事が読みたい。

病気や事故にあったわけでもなく、誰かに蔑まれているわけでもなく日々生きているのだけれども「自分らしさ」を見失っている自分。

今回はそんな自分が聴いて、いいな!と思った講演を集めました。

エピソード1- 好きになる仕事はどうしたら見つかるのか

まずはじめに2012年「TEDxGoldenGatePark」でのスコット・ディンズモアの講演から。

Scott Dinsmoreスコット ディンズモア:作家、旅行家、「Live Your Legend」の創設者、起業家

仕事に行き詰ったスコットは、やらずにはいられないような仕事を見つけたいとあらゆる文献を調べ、人に会うことで、自らを体現する仕事をしている人に共通する3つの要素を見つけました。

世界を変える情熱的な人達に共通する3つ要素

  1. Unique Strengths」… 自分固有の強みが何かわかっている
  2. Values」… 自分の枠組み、基準が何かわかっている
  3. Experiences」… 経験上自分が何に惹かれたのか、心に響いたことが何かわかっている

一度この枠組みを確立させたなら自分を生き生きさせるものが何か見出していくことができると述べています。

①の「自分固有の強み」が何かを見つけるためにスコットは「ストレングス・ファインダー 2.0」というオンラインツールや本『ストレングス・ファインダー2.0』を勧めています。調べたところ現在でも有料で調べることができるようですが、日本のリクナビNEXTで「グッドポイント」というほぼ同じ診断が無料でできるサイトがあります。

グッドポイント診断

無料で自分の強み「Unique Strengths」が調べられるので、強みがわからないという方は、天性で自分に向いていることが何か見つける助けとして一度試してみてはいかがでしょうか?

そして、

無理だと思うことをやり遂げる1番の早道は既に成し遂げている人たちの中に身を置くこと、最善の方法は情熱的な人々の中に身を置くこと

と彼は述べています。

スコットは、人々が情熱を見つけるように刺激するキャリアとつながりのプラットフォームであるLive Your Legendを設立しましたが、最初の4年の成長は0パーセントで もうやめようとしていたそうです。その後引っ越しして、興味深い人達と知り合いになることで強烈に刺激を受け、半年でサイトが急成長し、1年後には160倍の成長になったそうです。

この講演は2012年で現在はどうされているのかなと調べたところ、2015年に33歳でキリマンジャロの山岳事故で亡くなっていたことがわかりました。

彼が存命なら今頃このプロジェクトが日本にやってきていたのではないかなと思うと残念です。

ラシク
らしさ中級

ぼくは、あらゆる成功の起爆ポイントを知りたいと調べているのだけれど、どうやら人との出会いが大きなポイントで、そのタイミングで自分がしっかり出来上がっている時に起爆するとわかってきたんだ。

エピソード2- 天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう

次に2015年「TEDxBend」でのエミリー・ワプニックの講演から。

Emilie Wapnickエミリー ワプニック:作家、コーチ、アーティスト

ある分野に興味を惹きつけられ、そこに飛び込み夢中になってある程度まで上手くなるのですが、どこか途中で 「もうできた チャレンジする程の事でもない」という思いがつのって放り出す羽目になる、そしてまた新しい分野に興味を持つ…を繰り返すことに悩んでいたエミリー。彼女は2つの理由で苦しんでいました。

夢中→飽きを繰り返す苦しみ

  1. 自分のしている事をどうまともなキャリアに結び付けられるか
    結局1つの事を選び他にやりたい事を無視して、飽きがくる事に観念せざるを得ないのか?
  2. 1つの事をやり通せない自分に何か欠陥があるのでは
    自分が何かに専念する事を怖がり、気持ちが散漫で自分の成功を恐れ自ら妨害しているのではないか?

一般的には一つの職業に夢を持ち追求する人が賞賛されますが、そうではない人、たくさん夢を持ちそれをミックスさせて活かす人も現実に存在することを知ってください。

こういう人は「マルチ・ポテンシャライト」、多くに興味を持ち創造を追求する人なのです。「博学者」と言い換えることもできます。

マルチ・ポテンシャライトには 3つの相当な強みがあります。

マルチ・ポテンシャライトの強み

  1. アイデアの統合
    2つ以上の分野を組み合わせ、それらが交わる所で新しい何かを創造することができる
  2. 迅速な学習力
    何かに興味を持つとのめり込み、手当たり次第吸収できる。初めてでも恐れない。
  3. 適応力
    どんな場面に遭遇しても、それに合わせられる。

これら3つはマルチ・ポテンシャライトの得意とする所であり、焦点を絞れと強いられると失いかねない技能です。 

あまり周囲に多くいるわけではなく自分がおかしいのではないか?と悩むかもしれませんが、その必要はなく、むしろ重要な存在だと気づいてください。

様々な経歴を持つマルチ・ポテンシャライトは、多くの交差点に容易にアクセスできます。新しい事を始めたり、居心地の良い所から足を踏み出すのも怖がりません。

革新はそんな交差点で起こります。そこから新しいアイデアが生まれるのです。内に秘めた情熱を大切にし、その好奇心の交差点を追求してください。

オススメ!
”器用貧乏”に悩むマルチ・ポテンシャライトさん達のために。具体的なワークを通して、自分に必要な生き方がわかる本です。

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ラシク
らしさ中級

ぼくは「マルチ・ポテンシャライト」だったんだ!同じ悩みがあり、すべてが当てはまるのでびっくり。強みがはっきりしてよかった。

エピソード3- 内向的な人が秘めている力

次に2012年「TED」でのスーザン・ケインの講演から。

Susan Cainスーザン ケイン :作家

スーザンは内向を好んでいたのに、静かで内向的なのは正しくない、もっと外向的な人間として認められるよう努力すべきだというメッセージをいつも受け取り、いつしか自己否定的な選択をほとんど反射的にして、自分ではそんな選択をしていると気づいてもいない状態になっていました。

内向的な人達はみんな社会に深く根ざした現実の偏向によって不利を被ってきたのです。

外向的な人は多くの刺激を強く求めますが、内向的な人はもっと静かで目立たない環境にいる方がやる気になり生き生きとして能力を発揮できるのです。 

みんなが持てる才能を最大限に発揮できるようにする鍵は、
その人に合った刺激の中に身を置くということ

しかし ここで偏向の問題が出てきます。

もっとも重要な組織である学校や職場が外向的な人向けに作られており、外向的な人に合った刺激に満ちているのです。

スーザンは、社会として両者をもっとうまく バランスさせる必要があり、陰と陽のように両方必要なのだと説きます。

彼女は自らの活動を通じて、内向性や無口や孤独に対する人々の態度が劇的に変化する一歩手前にあると感じ、内向的な人達に対し3つの行動を呼びかけています。

内向的な人がすべき3つの行動

  1. 絶えずグループ作業するなんて狂ったことはやめましょう
    独りで作業する必要があるのはそれが深い思考の生まれる場所だからです
  2. 荒野へ行きましょう
    気を散らすものから離れ自分の思索に耽る時間をもう少し増やしましょう
  3. 自分のスーツケースの中身をよく見て なぜそれを入れたのか考えてみましょう
    様々な機会にそれを取り出して自分のエネルギーと喜びを他の人にも分け与えてください

内向的な人がもっと自分に合ったやり方でできるようにすれば、様々な問題に独自の解決法を考え出す可能性が高くなるのです。

ラシク
らしさ中級

ぼくは人は好きだけど一人でも全然平気なので、どちらかというと内向的なんだと思う。

エピソード4- 私が1人で立ち上がった日

次に2014年「TEDGlobal」でのボニファス・ムワンギの講演から。

Boniface Mwangiボニファス ムワンギ:写真家

子どもの頃「ソフティ(害のない奴)」というあだ名を持ち、トラブルを避けて黙っていることを教わったムワンギですが、写真家として暴力行為を記録に残す仕事をし、暴力を目の当たりにして考えが変わりました。

耐えられず仕事を辞めた後、公衆の面前で抗議の声をあげたのです。そのたった一つの行動が 24年間臆病者だった自分に別れを告げました。

その日が自分が生まれた理由、つまり沈黙せず不正に立ち向かうことなのだと発見した日でした。

皆さんは自分が生まれた理由を知っていますか?

彼はその日以来、もう口を閉じて黙ることなく語っていくのだと決心しました。

多くの、暴力を目にしたことのないケニア人に向けて暴力を写した写真展を開き、現実を見せていく活動家として生き始めたのです。

自分が真に信ずることのために恐れず立ち上がりましょう。

「自分が何をすべきかを知っていることほど大切なことはありません」と彼は説きます。

なぜなら自分の役割を見出し行動しているから、恐れず自分の人生を生きていくことが出来るからです。

 彼の活動は、国中にそしてアフリカ大陸全体に波及していきました。 物事を語るのにもはや彼1人ではありません。

ラシク
らしさ中級

ぼくはおかしいと思って声をあげてダメになった経験があるので怖いけれど、真に信ずることのために恐れず立ち上がらないとね。

エピソード5- 感情にも応急手当が必要な理由

次に2014年「TEDxLinnaeusUniversity」でのガイ・ウィンチの講演から。

Guy Winchガイ ウィンチ:心理学者、作家

ガイは一卵性の双子であり、兄とともに「心理学者」です。「心理学者」というのは身体の医者に比べ低く見られがちで、心より身体に価値を置かれる現象は肩書だけでなく、至るところで見られます。

幼い子供でもケガをしたら絆創膏を貼れますし、歯を磨く大切さも知っています。しかし心の健康管理については子供に何か教えているでしょうか?

なぜ身体の健康をこんなに重視するのに心の健康には そうしないのでしょうか?

今こそ健康に関する身体と心のギャップを狭める時です。

失敗に対して自分の心がどう反応するか把握していますか? 

心や感情は 自分が思うほど 信頼のおける友ではありません 。

自分の失敗や欠点ばかり考え始め「どうだったらな」「どうでなければよかったのに」 と自分自身に話しかけるのです。

身体の傷ならわざと悪化させることはしないでしょうが、心の傷に対しては常にそんなことをしているのです。

この種の悪循環を断ち切らなくてはなりません。状況をあなた自身がコントロールしなくてはならないのです。

研究の結果、自尊心が低いほどストレスや不安に弱いことや失敗や拒絶による傷も深くなり回復に時間がかかることがわかっています。

ですからあなたが傷ついたら一番にすべきことは自尊心の回復です。

苦しい気持ちの時には 親友がしてくれるのと同じように 自分を思いやりで癒してあげましょう。

さらに、不健康な心のクセを把握しそれを変えねばなりません。 

最も不健康な心のクセ

最も不健康かつ一般的なクセは反芻はんすうです。
反芻とは何度も噛み続けることです。

上司に怒鳴られた時、教授に授業で馬鹿にされた時、友達と大喧嘩をした時、その場面を何日も頭の中で繰り返さずにいられません。 時には数週間です。こういった腹の立つ出来事の反芻は簡単にクセになり、しかもその代償はとても大きいのです。 

非常に多くの時間が腹立たしくてネガティブな思考への集中に使われ、自分を大きなリスクにさらすことになるからです。

問題なのは反芻の衝動が非常に強く、それを重要だと思い込んでしまうことです。そのためこのクセをやめるのは難しいのです 

このクセには対処法があります。

反芻の対処法

研究によると、たとえ2分間でも気を紛らわすとその瞬間は反芻の衝動から解放されます。

不安や動揺、ネガティブな思考におそわれた時はいつも衝動が去るまで他の事に集中するようにすればよいのです。

そうやって心の状況を自らコントロールすることにより、物の見方が変わりもっとポジティブになり希望をもてるようになります。

百年前、人々に衛生意識が芽生えて平均余命は50%以上向上しました。

さらなる生活の質の向上には感情の「衛生」が必要だと彼は説いています。

もしあらゆる人が心理的にもっと健康になったら。孤独や落ち込みをそれほど感じないでいられたら。失敗の克服法を知ったら。自分をもっと好きになり、より自信を持つようになったら。もっと幸せで充実感を得られたら。

人々が知識を得て少しの簡単なクセを直すだけで、住みよい世界が実現するでしょう。

ラシク
らしさ中級

反芻の対処法はすぐにでも始めたほうがいい不安予防法だよ。虫歯予防と同じくらい習慣にすべきだと思う。

エピソード6- 成功と失敗と創り続ける力について

次に2014年「TED」でのエリザベス・ギルバートの講演から。

Elizabeth Gilbertエリザベス ギルバート:作家

エリザベスは生まれてからずっと作家になることだけを夢見、大学を卒業すると食堂でウェイトレスをしながら書き続け、必死に出版を目指しましたが失敗ばかりでした。

およそ6年もの間 — 何も出版できなかったのです。

その6年間毎日郵便受けで彼女を待っていたのは断りの手紙だけ。手紙を受け取る度に絶望し、負け続けるのは終わりにして書くのをあきらめ、苦痛から逃れるべきかと悩みました。

それでも彼女はいつもこう考えて決意を新たにしたのです。

「私はやめない ― 自分の居場所に戻るんだ」

彼女にとって「戻る」とは 作家の仕事に戻ることです。失敗するつらさより書くことへの愛情が勝っていたのです。

こうやって長い苦難の時を乗り切りました。

『食べて、祈って、恋をして』の成功が大きな転機であったと同時に、彼女は作家を続けていくには難しい立場に立たされました。

誰かに喜んでもらえる本をどうしたら再び書けるのか、わからなくなってしまったからです。

あの作品を好きな人も嫌いな人も次回作には絶対がっかりする。どのみちうまくいく見込みがないと考えた彼女は、もうこんなことはやめて田舎に引っ込んでしまおうかと本気で考えました。

でももし書くのをやめたら愛する天職を失ってしまいます。

そのとき、本も出せなかったウェイトレス時代の自分と本が大成功し騒動の渦中にいる自分とが重なりました。

共通点は一つもないのに、なぜ急に昔の自分に戻った気がしたのでしょう?

彼女はその謎を解こうとしてようやく大きな失敗と大きな成功との間には 不可思議で想像を超えた ― 心理的なつながりがある のだと理解し始めたのです。

人は人生の大部分を平凡で平穏ないつも変わらない ― 経験の連鎖の中を生きています。でも失敗すると突如先の見えない絶望の淵へと投げ出されます。一方、成功した場合にも同じくらい遠くへ投げ出され名声と評価と賞賛で周りが見えなくなります。

一般的には2つのうち片方は悪いこともう片方は良いこととされています。 

ところが潜在意識のレベルでは2つはまったく見分けがつかず、心の深みの中で道を見失う危険が伴います。

ただどちらの場合でも同じ方法で自分を取り戻せることに気付きました。 

その方法とは

できるだけ早くスムーズに自分の居場所に戻ること

です。

居場所とは情熱をもって全精力を注ぐことができ、結果などもはや重要ではないというようなものです。 

自分が生きるべき場所さえ忘れない限り、目まぐるしく変わる結果に左右されることはなくなるでしょう。

ラシク
らしさ中級

「マルチ・ポテンシャライト」なぼくにとっては「居場所」が一つに決められないのでちょっと違和感があるけれど要は「人間万事塞翁が馬」ということだよね。大成功した先の苦しみとその解決策について語ってくれる人はあまりいないのでとても参考になったよ。

エピソード7- はっきり主張できるようになるには

最後に2016年「TEDxNewYork」でのアダム・ガリンスキーの講演から。

Adam Galinskyアダム ガリンスキー:社会心理学者

アダムは「自己主張のジレンマ」に関して長年調査研究してきました。

自分を強く主張できる時とは?自分の利益や関心を押し通せる時とは?自分の意見を表現できる時とは?野心的な要求ができる時とは?

自己主張のジレンマの例

  1. 上司がミスをしたとき 進言してもいいだろうか?
  2. いつも口出ししてくる嫌な同僚に 直接 注意してもいいだろうか?
  3. 無神経な冗談を言う友人を いさめてもいいだろうか?
  4. 心の奥底にある不安を 最愛の人に明かしてもいいだろうか?

内容は幅広く様々なのですが 一方で それらが織りなす模様は万国共通です。

彼はこうした調査を通して人にはそれぞれ許されている言動の範囲があることに気がつきました。

1人1人が持つ許容範囲 — 自分の許容範囲内での言動なら見返りがありますが その範囲から一歩出てしまうと、冷遇されたり見下げられたり疎外されたりさえします。時には昇給や昇進を逃したり商談を棒にふったり様々な形で罰せられるのです。

まず知るべきことは自分の許容範囲ですがその範囲の幅は一定でないということが鍵です。実際かなり変動し、状況によりその範囲は広がりも狭まりもします 。許容範囲の決定に何よりも大きく影響するのは私たち自身の「力」です。

ここで大事なことは、

力が大きければ許容範囲はうんと広くなり許される言動の幅がかなりありますが、力が無ければその幅は狭まり余裕はほとんどない

ということです。

許容範囲が狭くなると 「ローパワー・ダブルバインド」と呼ばれるものが生まれます。”力の弱さゆえの二重拘束”のことで”黙っていれば誰の目にも留まらず思い切って言えば罰せられ”ます。 

「ローパワー・ダブルバインド」は性別に関係なく、個人の「力」の弱さからきます。許容範囲が狭いと強力なダブルバインドが生じます。

彼は研究の中から許容範囲を広げる方法として2つの要素を発見しました。

許容範囲を広げる方法

  1. 力がありそうだという自分に対する自己判断
    自分に力がみなぎっていると感じる時、自信に溢れ物怖じせず自ら許容範囲を広げています。
  2. 力がありそうだという自分に対する他者判断
    他者の目にも私が力強く映っていれば、許容範囲を広げる許可が与えられます。

許容範囲を広げ、意見を述べる際のリスクを下げてくれる道具は以下です。

許容範囲を広げる道具(自信を持って意見が述べられる)

  1. 他者のために発言する
    「母熊効果」と 呼ばれ、自分の子を守る母熊のように他者のために発言する時、自分の許容範囲を把握し自ら押し広げ、より自信を持って意見が述べられるようになります。
  2. 他者の視点で考える
    相手の視点を取り入れて相手が本当に望んでいるものを考えると、相手から自分の望んでいるものをもらえる可能性が高まります。他者の視点を取り入れると 野心的になれる上 自己主張でき それでいて感じもよくなります。
  3. 柔軟性を示す
    選択肢を示すことで可能性が高くなります。人は選択権を与えられると ガードがゆるくなり与えられた提案を承諾しがちになります。
  4. 専門分野がある場合
    専門性によって信頼が得られます。たっぷり力を持っている場合は すでに信頼があるので そこそこの証拠を示せば 十分です。力が無い場合は 信頼がありませんから 優れた証拠が必要になります。

④で専門家として印象づける方法の1つとして自分の情熱を表すというやり方が有効です。自分の情熱に関することとなると自ら発言する勇気が奮い起こされるものですが、同時に周りも発言することに対し寛容になります。自分が弱すぎるように見えてしまう状況でも、情熱を表すとプラスに働くのです。

さらに「自信を持って意見が述べられる時は?」との問いで一番多かったのが「聞き手の中に 支持者や仲間がいる時」でした。では自分の側に立ってくれる仲間を得るにはどうするか。

仲間を得るには

  1. 母熊になること
    他者のために発言する時、自分だけでなく他者の目から見ても自分の許容範囲が広がり同時に強力な仲間を得られます。
  2. 助言を求めること
    特に権力のある人を味方につける時に強力な方法です。他者に助言を求めると好ましく思ってもらえます。 相手を立てているし謙虚さを示してもいるからです。

②の方法は、自己PRから生じる”自分の功績を宣伝しなければ誰も気付かないがひけらかすと好ましく思われない”というダブルバインドの解決にもとても効果的です。自分の功績に関して助言を求めると、相手の目に映る自分は有能でさらに好ましく思ってもらえます。

必要とあらば、母熊のように勇猛になり謙虚に助言を求めてください。 そうして優れた証拠と心強い仲間を得て情熱を持って他者の視点を取り入れましょう。

この道具を使えば自分の言動の許容範囲を広げられるようになり、人生は概ね楽しいものとなることでしょう。 

ラシク
らしさ中級

自分の許容範囲を知らず、何度失敗したことか。どの道具も有効なので、使いこなせるようになるべき。

TEDを調べて得た想い

当初自分はマイノリティのどれにも属していない、と思っていたけれど、かなり「内向的」で一つのことにのめり込み続けられない「マルチ・ポテンシャライト」だということに気づかされました。

世の中は「外向的なスペシャリスト」を良しとする傾向があり、そういう意味で自分はずっとマイノリティと気づかず苦しんでいたんだとはっきり認識させられました。見た目にはっきりわからない分、つらさのぶつけ所がなかった。

世界にはあらゆる少数派が存在し「自分は一般的ではないと気づいたけれどそんな自分であっていいんだ!!!」と声をあげることができ、そうやって声をあげた人がTEDに立てるような人物になれるんだなと痛感しました。

疑問を持ち何十年も研究してきた専門家の意見も同様です。

この人達が声をあげてわかりやすく説明してくれていなかったら、自分はこの得体のしれない苦しさをずっと抱えたままだったのだと思うと、自分がまだ他に抱えている苦しさを早く表現して世の中に発表すべきだと強く思いました。

ラシク
らしさ中級

もっと自分の中の違和感をはっきり意識し、声をあげて、いつかTEDに呼ばれるような存在になりたい!

まとめ

いかがでしたか?今回は、

TEDで探る「自分らしく」生きている人のエピソード7例

について考えてみました。

7例に共通するものは

自分の意見がマイノリティであると認識しつつも、その大切さを説明できる人である

ということ。

無意識につらさを感じ、これまで多くの人が挫折してきた要素を、勇気をふりしぼって見つけ出し、解決策を発見した人達なのです。

あなたの中にもそんな要素があるはずです。それを見つけ出して声をあげることも「自分らしさ」をつらぬく一つの生き方だと思います。

この記事があなたの「自分らしさ」をつらぬくためのお役に立てたら嬉しいです。

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